アマナとはユリ科アマナ属の小形多年草です。山野に生育し、佐渡島では大佐渡産地のシバ草原に群生しています。早春花で花は白です。大佐渡の海辺の村々の子どもたちにとって、アマナは迎春花でした。まだ芽吹いていない食パン色の枯れ草の間にいち早く開くアマナ。日を受けて開く6弁の白花には紫の縦筋が走っています。
入川という地域の北見さんは『花をたずねて』(1972)という書籍で「春3月半ば、温かい南風が竹の割れ目にあたりヒョロヒョロと音を立てる頃ともなると、段丘の斜面や水田のほとりのような向陽地の枯れ草の間からいっせいにアマナが白い花を開く。幼い子供らが手に一杯とった量を競っている姿を見て、大人たちは自然の春の訪れたことを知る事さえある。」と述べています。