菊池はるみ執筆[佐渡島の野草研究家]

アミガサユリの特徴と効能

アミガサユリ

1.アミガサユリとは

アミガサユリの絵

アミガサユリとは、ユリ科アミガサユリ属の多年草です。中国原産の植栽種なのですが、中国では白い鱗片を貝にみたて、母貝が子を抱くさまをみて「貝母(バイモ)と呼ばれています。葉はユリに似ていますがうんと細いです。茎の下には3~4枚やや輪生状につきます。最も上の葉は2~3枚直立して上を向いて、葉先がくるりと蔓のようにまいています。まさに「貝母のひげ」です。

花は釣り鐘型でうすい緑黄色の六弁花、エビ茶色の網目が入っています。網目を編み笠の網目にみたてて「アミガサユリ」。この貝母の花が葉の間から一花ずつ垂れて茎の下から頂へと咲き登ります。渋みがあって気品に満ち、凛としています。

フクジュソウや梅に次いで早く咲き、ユリ科中最も早く開花するので「春百合」や「初百合」とも呼ばれます。佐渡島で咲き出すのは4月に入り里の桜が満開となる4月20日前後の春たけなわの頃です。

ユリの鱗茎は多くの鱗片が集まって球となりますが、アミガサユリの鱗茎は白い厚い鱗片の二個があいよりあって球となります。球根が栗に似て、我が子を抱くようである所から古名をハハクリ(母栗)と呼びました。

2.アミガサユリの効能

アミガサユリの薬用部位は地下部の鱗茎です。中国では古くからの薬種、漢方処方によく用いられました。肺炎・気管支炎・胸膜炎・肺化膿症などの咳止め・痰切り・排膿・解熱などの薬効があると言われています。

中国原産のバイモの日本への渡来は明らかではありません。江戸時代の本草学者の貝原益軒の『大和本草』(1708)に「貝母の日本名はハルユリ。結気を散じ、熱を除き、心肺を潤す」とありましたので、江戸時代18世紀にはすでに渡来、薬種であったことは確かです。

『佐渡薬草風土記』引用