菊池はるみ執筆[佐渡島の野草研究家]

エビスグサの特徴と効能

エビスグサ

[目次]
 1.エビスグサとは
 2.エビスグサの効能

1.エビスグサとは

エビスグサとは北米原産のマメ科カワラケツメイ属の一年草です。エビスグサは“夷草”と書き、異国から渡来したことを意味します。日本には江戸時代の享保年間(1716〜1736)に中国から渡来しました。葉は2〜4対の小葉を持つ偶数羽状複葉。夏に黄色花を咲かせ、種子は六角形です。

2.エビスグサの効能

エビスグサの絵

エビスグサの種子は薬になり、生薬名は「決明子」です。決明子の“決明”とは明を開くという意味で、視力を回復することです。ただし、これは目の薬ではなく、便通を整え、その結果目の充血がとれて視界がはっきりするということです。決明子の“子”は種子のことで、種子に含まれるアトランキノン誘導体のクリソアノール・オブッシオリン・エモジンなどが薬効成分とされています。

エビスグサの種子をお茶にしたものは「ハブ茶」と呼ばれ、薬茶として飲まれています。なお、ハブ茶と言われるものは厳密には2種類あります。ハブソウ(生薬名は望江南)という北米の南部およびメキシコ原産のマメ科植物の種子から作られたお茶もハブ茶と呼ばれています。しかし、エビスグサの種子から作るハブ茶の方がうんと薬効があります。

築田多吉著の『家庭に於ける実際的看護の秘訣』(大正15年初版)には「私は多年実験の結果、ゲンノウショウコとハブ茶(決明子)ほど霊効がある薬草を見たことがない。」と記されています。ハブ茶の飲み方については、「決明子1日量15〜20グラムを4合の水で3合に煎じ、飲むが濃いものを大量に飲まないと効がない。」とあります。また、薬効について以下のように述べられています。

① ほとんどの急性慢性胃腸病にこれを茶がわりに服用すれば、ほとんど百発百中効きます。

② 胃潰瘍・胃がんには、この種子とゲンノウショウコとハマジシャ(佐渡自生)を合わせ煎じ服用すれば、著明の効果があります。

③ 口内がただれたときに濃い煎じ液を五分間口に含み、これを2〜3回やりますときれいに治ってしまいます。胃の中のただれも同じ効果。

④ 利尿に効果が顕著で、小便が多く出て腎臓炎・心臓病・糖尿病・肋膜炎などに効果があります。

⑤ 常習便秘は翌日から便通があります。

⑥ 毒蛇や毒虫に刺されたとき、煎じ汁をすりこむと直ちに治ります。

⑦ 産前、産後に引き続きハブ茶とゲンノウショウコを合わせ、煎じ汁を飲めば、妊娠腎や手足の腫れ、子宮の回復に特効があります。

『佐渡薬草風土記』引用