菊池はるみ執筆[佐渡島の野草研究家]

エンジュ(槐)の特徴と効能

エンジュ

[目次]
 1.エンジュとは
 2.エンジュの効能

1.エンジュとは

エンジュとはマメ科クララ属の落葉高木です。高さは15〜20メートルにも達し、葉は奇数羽状複葉。夏から秋にかけて淡い黄色の房状の花穂をつけます。中国から仏教伝来(538年)と同時に渡来してきたと言われています。エンジュの漢名は「槐(カイ)」で、木編に鬼(神霊)を見立てての漢名です。

中国ではエンジュを神霊的な樹とし、最も尊貴な樹としました。現在の我々にとって鬼はツノとキバをもつ異様な恐ろしいイメージがありますが、かつては直接言うことを避けなければならない超自然的な存在を指し、神的な力を持つ霊魂を意味しました。

槐という漢字は尊貴なるが故に「槐しん」は天子の宮殿を、「槐位」は最高の官位である太師・太伝・大保(日本流に言えば太政大臣・左大臣・右大臣)の三公を指します。槐は最高の高官を示す語であり、三公の位に上がったものは庭に槐を植える習慣もあったと言われています。また、槐樹(エンジュ)の下で訴えを聞けば情に流されず真実の裁きができるといいます。

2.エンジュの効能

エンジュの実

全国的に寺院や医家の庭に植えてありますが、これはエンジュが薬木であることによります。貝原益軒の『大和本草』に「槐花・槐枝・槐子・槐膠・皆薬材とす。」とあるとおり、エンジュの花・枝・皮・種子・膠はみな薬になります

エンジュの蕾や花は高血圧の薬ルチンの原料となり、血止め薬となります。口中のただれには蕾の粉を使います。実は内服して痔の薬、また服用すれば“目を明らかにして髪をしておちざらしめ、年を延ばし気力を益す”と言われています。また、エンジュを“延寿”にみたたて端祥の薬木とされています。

『佐渡薬草風土記』引用