菊池はるみ執筆[佐渡島の野草研究家]

エゾユズリハの特徴と効能

エゾユズリハ

1.エゾユズリハとは

エゾユズリハの正月飾り

エゾユズリハとはトウダイグサ科ユズリハ属の常緑低木です。山の林の下や林の縁に生えています。なお、ユズリハは太平洋側に分布する常緑の高木で、エゾユズリハは日本海側に分布する常緑の低木です。新潟県に分布するのは全てエゾユズリハで、雪椿と同じように雪国植物です。

エゾユズリハの“ユズリハ”は「譲葉」と書きます。鮮緑の若葉が萌え出て、こずえに新葉が開ききった5月〜6月、下の古葉は垂れ下がり落ちます。新葉整って古葉黄落ちし、まさに“子長じて父家事を子に譲るに似たり”でしょう。なお、エゾユズリハを正月に飾る伝承は古く、今も伝えられています。

少雪の年、寒風にさらされているエゾユズリハは葉が萎みちぢれて生気がありませんが、雪に覆われ雪の中にかいまみるエゾユズリハは生気に満ち溢れています。白雪のしとねの下の濃緑の葉と深紅の葉柄のコントラストは実に美しい。先年、大佐渡山中の雪の中に見たエゾユズリハは確かに息づき、赤い葉柄は実に艶めかしかったです。

2.エゾユズリハの効能

エゾユズリハの絵

エゾユズリハは現在は毒草指定されていますが、佐渡島の両津では腹痛を起こしたときにエゾユズリハの新芽を噛んで治していました。台所にエゾユズリハの黒実の房を吊り下げておいて、腹具合が悪いときに実を食べたそうです。

また、エゾユズリハの葉を干して乾燥させた後、粉にして瓶詰めにしておく家も少なくありませんでした。葉の乾燥粉末も腹痛に効いたそうです。青灰色のこの粉を舐めさせてもらいましたがセンブリのように苦かったです。

伊沢一男さんの『続:薬草カラー図鑑』(1980)には、同属のユズリハについて「樹皮や葉には殺菌作用のあるアルカロイドのダフニマクリンを含み、樹皮にはタンニンを含んでいて、樹皮又は葉の乾燥したものを濃く煎じオデキや、家畜・猫・犬などの駆虫に洗浄する。」と記されています。

『佐渡薬草風土記』引用