菊池はるみ執筆[佐渡島の野草研究家]

フキノトウの特徴と食べ方

フキノトウ

1.フキノトウとは

フキノトウとはキク科フキ属の多年草です。フキノトウのトウ(薹)は葉に先立って出るフキの若い花茎のことで、若い短い花茎につくツボミや花がうろこ状の「包葉」と呼ばれる葉に包まれた状態がフキノトウです。雄雌異株で、雄株は黄色の雄花をつけ、雌株は白色の雌花をつけます。

佐渡島の方言ではフキンジイ・フキノジイサン・フキンジョとも呼びます。フキンジョという呼び名の「ジョ」は語尾愛称語です。吹き出た可愛らしい花芽という意味でフキンジョと呼びます。なお、佐渡島の和木という村ではフキノトウもフクジュソウの角芽もいずれもフキンジョと呼んでいます。

早春、雪の下から顔をのぞかせるフキノトウは緑というより白っぽく一見“白翁”のじいさんを連想させます。「裏の田のくろや山ふちに雪が消えるとすぐに出るのがフキンジョだ。フキンジョは田楽、フキンジョが出ると野良仕事にでんならんのー」と和木の村人は言います。フキンジョは春の香りであるとともに、今年の野良仕事の始まりを告げる花でもあるのです。

2.フキノトウの食べ方

私にとっては熱いみそ汁に生のフキノトウを刻みいれるのが最高の味です。片岡博さんの著書である『山菜記』(1986)では「一番うまいのは炊き立ての熱いご飯にかけた生卵の中にフキノトウをむしって入れる卵ご飯」と記されています。

『新潟の味』(1977)という本では「フキノトウの蒸し焼き:薄切りにして生のフキノトウに酒と醤油をふりかけてアルミ箔につつんで蒸し焼きにする。フキノトウの辛煮:さらしたフキノトウの水をしぼり、醤油を加え弱火で煮詰める」と紹介されています。

また、『佐渡志』(1816)という本では「ぎ冬花、方言ふきのとう。冬春食用とす。痰咳を治するの効あり。山ぶき里ぶきみな食用となすべし」と記されています。

『佐渡山菜風土記』引用