菊池はるみ執筆[佐渡島の野草研究家]

ハハコグサの特徴と食べ方

ハハコグサ

1.ハハコグサとは

佐渡島のハハコグサ

ハハコグサとはキク科ハハコグサ属の小型の越年草です。頭花が黄色く、花序は散房状。路ばた・空き地・田のくろなど人里に多い人里植物です。母子草という名に懐かしみがあり、優しい姿も名にぴったりであると思っていましたが、本種をハハコグサ(母子草)というのは正しくないそうです。『牧野新日本植物図鑑』には、このように記されています。

「“ホオケル”は旧仮名遣いで“ハハケル”と書きます。茎の白毛も頭花の冠毛もほおけたっていることから母子の当て字が使われ、ハハコグサと呼ばれたのだと思います。和名は“ホウコグサ”が正しいとされています。」

2.ハハコグサの食べ方

ハハコグサのスワッグ

ハハコグサは春の七草の一つで、その若葉は春の野で摘まれ食べられました。また、ハハコグサの別名である「ホウコグサ」という名は、ホウコ(這う幼い子)に食べさせる餅に混ぜたことに由来します。また、ハハコグサの古名を「オギョウ」と言います。

日本の平安時代に中国の風習を取り入れ、3月3日に母と子をかたどった人形を作り、川に流しお祓いをしました。この人形のことをオギョウ(御形)と呼びました。室町時代に入り、オギョウの主体は子に移り、子のオギョウを祭るひな祭りに変わっていきます。

子をかたどったオギョウといっても幼いホウコ(這う幼い子)が主体です。ホウコのオギョウ(人形)に備える餅や団子に混ぜた草をホウコやオギョウと呼びました。現在は草餅・草団子と言えばモチグサ(ヨモギ)ですが、ホウコグサの餅はヨモギよりも美味しいです。

ホウコグサの葉は痰を除き、体を整えると言います。ただ、ヨモギの方が大量に採れ、緑が濃く、香りが強いのでホウコグサにとって代わったのです。モチグサと言えばオギョウ(ホウコグサ)であったものが、名までヨモギにとられたということです。

なお、野草を生活に活かしている畑野町小倉という地域の中村さんは「ホウコグサはゆがくと味も一段と良くなる。ゴマ和え、マヨネーズ和えで美味しく食べられる。」とおっしゃっています。

『佐渡山菜風土記』引用