菊池はるみ執筆[佐渡島の野草研究家]

ノコンギクの特徴と食べ方

ノコンギク

1.ノコンギクとは

ノコンギクとはキク科シオン属の中形多年草です。山野に多く生える秋の野菊で、花の中央は黄色、周りは紫色です。ノコンギクは日本特産のキク科植物であるヨメナと似ているため、佐渡島ではノコンギクのことを「ヨメナ」と呼んでいます。なお、佐渡島に本当のヨメナは自生していません。

佐渡島の伝承に「春はヨメナと食べられて、秋は野菊と花が咲く」があります。ヨメナは“嫁菜”と書くのですが、嫁は美しいことを表し、菜は食用であることを表します。ヨメナ(ノコンギク)は美味で美しいため、この名が付けられました。

2.ノコンギクの食べ方

ノコンギクの若葉は食べられます。明治35年生まれの江口さんは「春はヨメナ、秋はアキギクと言うて美しい花が咲く。草で2つの名があるのはこれだけ。茹ででよく水にさらしておく。あえもんもとても美味い。ヨメナ飯は茹でた菜を細く切ってよく絞り、塩味を付けて飯に混ぜる。ぷーんと香りがして、そりゃあいいもんですよ。」と言います。

なお、佐渡島の赤泊新谷という地域で「ヨメナ」または「ヨメズチナ」と呼んで、ヨメナ飯やヨメナ汁にしたものはノコンギクではなくユウガギク若葉です。ノコンギクの若葉は4月に採集するのに対して、ユウガギクは6月、7月に若葉が出ます。大根菜のとれる前まで摘めるので重宝がられました。ノコンギクより葉の切れ込みが深く、花も白っぽく、わずかに紫色をおびます。灰汁が強いので灰汁抜きをよくし、水にさらしてから食べます。

ユウガギク

ユウガギク

ヨメナ飯だけではありません。佐渡島はリョウボウ(リョウブ)・フジの葉・カヤムグリ(コウゾリナ)・コゴメ(クサソテツ)・トウノキ(クサギ)のご飯を、この20年前まで常食したという人々が現存した島です。

『佐渡山菜風土記』引用