菊池はるみ執筆[佐渡島の野草研究家]

オドリコソウの特徴と食べ方

オドリコソウ

1.オドリコソウとは

オドリコソウの絵

オドリコソウとはシソ科オドリコソウ属の中形多年草です。茎の節に輪生する花は白色で、蜜吸花です。花の形が笠をかぶって踊る人に似ていることからオドリコソウ(踊子草)と名付けられました。新潟県内の分布は佐渡島・弥彦・角田・阿賀野川沿岸と限られています。人里にも群生しますが、佐渡島では海沿いの道端にオドリコソウが大群生します。

『佐渡志』(1816)という書籍に「続断、方言ととき、又うばがち。春月賊民とりて菜とす。」と記されています。続断はオドリコソウの漢名ですが、オニアザミの漢名とすることもあります。トトキは普通ツリガネニンジンを指しますが、信濃ではオドリコソウの若葉を指しました。3月に入っても、野はまだ枯れ野、その中でオドリコソウはもう若葉をいっぱいつけます。群生するのでよく目につき、大量に採れます。

2.オドリコソウの食べ方

オドリコソウの節に輪生する白、うす紫の花は豊富にミツを分泌しますので、アリが花にむらがりハナバチも多く訪れます。相川の子どもたちは、この花をずばりミツスイと呼んでいます。戸地ではアカチンチン、達者ではチチカンカン、国仲ではチチスイバナ、さらにチチグサ・ネコノチチバナ・チイチイパッパと多くの呼び名があるのですが、子供たちにとってまたとない野のミツ吸い花です。

現在はあまり食べられていないのですが、昔は若葉を食用としました。生のままで汁の実としたり、花をすまし汁にしたり、ゆでて甘酢和えにしたりしました。大佐渡の海辺の北戎では、若葉を茹でて食べていたそうですが、それも遠い昔のことです。

『佐渡山菜風土記』引用