菊池はるみ執筆[佐渡島の野草研究家]

オミナエシ(女郎花)の特徴と効能

オミナエシ

[目次]
 1.オミナエシとは
 2.オミナエシの効能

1.オミナエシとは

オミナエシとはオミナエシ科オミナエシ属の多年草です。山野の陽地に生えています。秋の七草の一つで、秋になると茎上に黄色の細花を散房状につけます。オミナエシは漢字で「女郎花」と書きます。

茎が太く、毛が多く、花もやや大きい強剛なオトコエシ(男郎花)に対し、オミナエシは繊細で、その楚々たる黄色の細花のつくさまは優しい女性の風情があり、まさに女郎花のイメージそっくりです。この女郎花は万葉歌人の創作字と言います。なお、現在の佐渡島にはオトコエシがめっぽう多いです。

和名オミナエシは「女飯(オンナメシ)」からきています。昔は男と女に差別があり、男は米の飯を食べ、女は粟の飯を食べていました。オトコエシの花は白い米の飯を盛った男飯に似ており、オミナエシの花のありさまは黄色の花を盛った女飯に似ています。現に、信濃から東北にかけてはオミナエシをアワバナ(粟花)、長野の南安曇野ではオトコエシをコメバナ(米花)と呼んでいます。

2.オミナエシの効能

オミナエシの絵

オミナエシの薬用部位は全草と根です。生薬名は敗醤(はいしょう)です。『新潟県の薬草』という書籍には「オミナエシには利尿・解毒・消炎・排膿作用があり、腹痛・下痢・腫痛・婦人病に用いられる。」と記されています。

佐渡島の小倉という地域のある古老はこのように言います。「オミナエシを瓶にさしておくと、醤油の腐ったような匂いがしてくるので敗醤と言っている。この根を掘って薬にした。10月頃に根を掘って洗い、日干しにして煎じて飲むと、腫物やこしけによく効く。」

『佐渡志』という書籍には「敗醤、方言をみなえし、又ちどめぐさ。」と記されています。日本では古くからこの草をオミナエシとかチドメグサと呼んでいました。また、『佐渡に於ける薬草』にこのように記されています。

「ヲミナエシ(敗醤)の地下茎を陰乾にして、薄茶色に煎じた汁で目を洗うと流行眼・タダレ目など治る。また茶褐色になるまで煎じた汁を、盃に一杯あて三回服用すると、吐血・鼻血・おりものを止め、また産後の血行、腹痛などに良い。」

『佐渡薬草風土記』引用