菊池はるみ執筆[佐渡島の野草研究家]

オトギリソウ(弟切草)の特徴と効能

オトギリソウ

1.オトギリソウとは

オトギリソウの絵

オトギリソウとはオトギリソウ科オトギリソウ属の多年草です。草丈は20〜30センチ。山野の草原陽地に生え、夏から秋に茎頂に小黄花をつけます。花は日中だけ開き、一日花です。緑色の茎に葉が対生し茎を抱き、葉には黒色の細かい斑点が散らばっています。

オトギリソウの日本名は“弟切草”。怒った兄に斬り殺されたときの血痕がオトギリソウの葉の斑点と言われています。なお、この斑点は葉に散らばる油点で、これはオトギリソウ属の特徴です。弟切草の漢字が初めて出るのは『和漢三才図絵』(1713)という書籍で、次のように記されています。

「花山院の時代(平安時代984〜986)に晴頼という鷹匠は、鷹の傷口を治す秘薬を持っていた。その薬草名を聞いても秘密にして口外しなかった。実の弟がこの秘密を恋人に漏らしたので、おおいに怒り弟を切ったのが、”弟切草”の名前の由来という。」

佐渡島でオトギリソウの名前が最初に見られる記録は『佐渡嶋採薬譜』(1736)です。「柳葉劉寄奴、ヲトキリス。方言ヲトギリソウ。」と記されています。劉寄奴(リュウキヌ)はオトギリソウの昔の慣用漢字ですが、現在はショウレンギョウの漢名が用いられています。

2.オトギリソウの効能

オトギリソウの薬用部位は葉茎、生薬名は「ショウレンギョウ」です。タンニンが含まれていることから消炎・止血・収斂作用があり、打ち身・切り傷・神経痛に効きます。鷹の傷の秘薬とされたオトギリソウは、人の切り傷や打撲傷に特攻のある霊薬でもあるのです。

『佐渡に於ける薬草』(1934)という書籍には「オトギリソウの生葉のしぼり汁を、切り傷や打撲傷に塗ると不思議のように効く。」と記されています。全草を採り日干しにしたものを煎じて塗っても良いですし、風呂に入れても良いです。オトギリソウの薬効について、佐渡島内からいろいろ採話したものを以下に記します。

・葉の絞り汁が切り傷に効く。
・浴料にするとリウマチ神経痛に効く。
・オトギリソウは腹痛によい。
・オトギリソウはリウマチに効く。
・煎じて飲むと膀胱炎に効く。
・黒焼きにして傷薬にする。
・煎液は月経不順、鎮痛に効く。

『佐渡薬草風土記』引用