菊池はるみ執筆[佐渡島の野草研究家]

オウレン(黄連)の特徴と効能

オウレン

[目次]
 1.オウレンとは
 2.オウレンの効能

1.オウレンとは

オウレンの絵

オウレンとは山の林の湿ったところに生えるキンポウゲ科オウレン属の常緑多年草です。雄雌異株で、5〜6弁の白花をつけます。根生葉は三出の三小葉で菊葉に似ているため「キクバオウレン」と呼ばれることもあります。オウレンの根茎は黄色で、薬になります。生薬名は「黄連」。佐渡国薬種24品のひとつです。

江戸幕府による薬種調査が本格的に始まったのは享保5年(1720)、医官の野呂元丈らが佐渡へ渡ったのは享保9年(1724)です。佐渡島の銀山へ登り、それより郷村を廻って採薬調査がおこなわれました。

この調査により、回桐皮・淫羊藿・辛夷・細辛・鬼臼などが決められ、江戸医官のお墨付きをもらうことにより、佐渡島の薬草が物産として全国に売られることになります。

『佐渡志』(1816)という書籍には「黄連、山中に多し。根の長さ4~5分より1寸ばかり。外皮黒色を帯び内は深黄なり。効能多邦の産に勝るといへども、形は美しからず。」と記されています。効能多邦の産に勝る“佐渡黄連”は全国的に有名で昭和に入っても掘られ売られました。

2.オウレンの効能

黄連

オウレンにはベルベリンという成分が3〜7%含まれています。ベルベリンは胃の運動を促し、唾液や胃液の分泌を盛んにします。制菌作用もあり腸炎にも効きます。

根茎を干したものに水やお湯をそそいだり煎じたりして飲むのですが、舐めると非常に苦いです。薬用になる根茎の内側が鮮黄色のため、「黄連」という漢字が使われました。

相川町北狄のあるお婆さん(明治35年生まれ)はこのように話します。「薬草として採って売ったのはオウレンとブス(付子・ヤマトリカブトの塊茎)とサンショウの実。オウレンは雪が消えるとすぐ花をつけて、すぐに実をつけて実を落とす。夏場から秋が進む11月頃まで掘る。主に北西向きの所で、方向を考えて土味のいいところのものを掘る。百匁(乾燥重量・375g)が300円で、大工の日当も300円で同じだった。1日に400匁はとれるのー。1日で大工仕事の日当の4〜5日分になった。相川の濁川の橋の上に看板だしている家では、いくらでも買うてくれたし、河原田の店でも買うてくれた。」

『佐渡薬草風土記』引用