セリは全草に独特な香りがあり魚によく合います。佐渡島ではサバやイワシのたたきにセリを入れ、お汁に落として食べます。また、セリは春の七草の一つで、七草粥にセリは欠かせません。セリは葉緑素に富み、ビタミンA効力が強く、アルカリ性体質維持に役立つカルシウムが多いと現代栄養学は説いています。
4月過ぎのタゼリは虫やヒルの卵がつき、硬くもなりますが茹でて食べられます。6月のセリは新芽が横に這うように出てくるのでヨバイゼリと言いますが、若葉が食べられます。特有の香りと味が身上であり、半年にわたって摘み食べられる“庶民の野の菜”です。
貧乏世ざかりセリは常食。野菜はほとんど買いませんでした。貧富に関係なく野菜は仏事や喜びどきだけ買うものです。日常は畑でまかない、野で摘むものとする家も相当多かったと思います。
『佐渡山菜風土記』引用