菊池はるみ執筆[佐渡島の野草研究家]

シロバナタンポポの特徴と効能

シロバナタンポポ

1.シロバナタンポポとは

シロバナタンポポとは人里に多いキク科タンポポ属の多年草です。頭花が白色なのでシロバナタンポポ、またはシロタンポポとも言います。黄花のタンポポはエゾタンポポと呼ばれる北方系タンポポ。それに対してシロバナタンポポは関東以南に分布する南方系タンポポです。

シロバナタンポポは佐渡島に薬草として渡来しました。新潟市などでもシロバナタンポポは寺の境内にのみ見られますが、これは薬種として寺に栽培された名残です。佐渡島は天領の島ですので、佐渡奉公所の置かれた相川には幕府直轄の佐渡薬草園がありました。ここに薬種として栽培されたシロバナタンポポが逸出野生化し、相川を中心に島内に広がりました。

2.シロバナタンポポの効能

シロバナタンポポの絵

シロバナタンポポの薬用部は根と葉。生薬名は蒲公英(ほうこえい)です。『新潟県の薬草』(1987)という書籍によると健胃・利胆・解熱・強壮の効能があるそうです。また、催乳の目的で食べられました。シロバナタンポポの葉や根はほろ苦く、茎から出る白い汁にも苦味質のタラクサシンを含んでいます。

根を干して粉にしてタンポポコーヒーとして飲んだり、ドレッシングした葉をパンで挟んでサンドイッチにして食べることが多いです。シロバナタンポポは薬とされ、食用ともされた医食同源の植物です。ハコベと同じように青汁にはビタミン・ミネラル・酵素・緑葉素など心身を浄化し活性化させる栄養分を含んでいますので、青汁飲用そのものが乳汁分泌に繋がります。

産後の体力回復と乳汁分泌促進の漢方処方として特に有名なものは蒲公英湯です。これは蒲公英(タンポポの葉・根)6g、当帰(トウキの根)3g、香付子(ハマスゲの根茎)3g、牡丹皮(ボタンの根皮)3g、山薬(ヤマノイモ)4gで作るのですが、良く効きます。蒲公英湯は現代流に言えばタンポポ茶であり、タンポポコーヒーと言えます。

乳房腫れにはタンポポの根5gとスイカズラの乾燥花5gを混ぜ、200ccの水で煎じて飲みます。なお、単独では効果がありません。伝承では「シロバナタンポポの全草を食べ、また擦り潰して貼ると乳腫れ(乳腺炎)を治す。」と言われています。

『佐渡薬草風土記』引用