菊池はるみ執筆[佐渡島の野草研究家]

タンポポの特徴・食べ方・効能

タンポポ

1.タンポポとは

タンポポとはキク科タンポポ属の中形多年草です。在来種はエゾタンポポで北方系です。薬種栽培した南方系の白花タンポポは逸出し、野生しています。田んぼの畦にたくさん自生している帰化植物のセイヨウタンポポやアカミタンポポは在来種を駆逐して繁茂しました。

佐渡島ではタンポポの若葉を「グチグチナ」や「グチナ」と呼んでいます。ナ(菜)と付くのは摘んで食べられたからです。『佐渡志』(1816)という書籍には「蒲公英、通名タンポポ、方言グチグチナ。原野路上に甚多し。賊民採りて菜とす。」と記されています。

信濃では食べられる若菜のことを「グシナ」と呼び、花が咲くとタンポポになります。グシナ・グチナはおそらく“苦汁菜”または“苦地菜”と書くのでしょう。菜のほろ苦みがタンポポの味で、消化を助け食欲を増します。

2.タンポポの食べ方

タンポポのおにぎり

柔らかい葉を採り、茹でて1日くらいよく水にさらしてから食べます。佐渡島では汁の実・あえもの・おひたし・油炒めにして食べたり、葉だけではなく根も茹でて細かく切ってご飯に混ぜたり、煎り粉にしたりします。また、タンポポの花を天ぷらにしたり、根を干して粉にしてコーヒー代わりにしたりする家庭もあります。

野草料理家である甘糟幸子さんは「うちでは子供たちがタンポポのサンドイッチ(ドレッシングした葉をはさむ)が大好きなので、春の間中よく作ります。」と言います。天然の味を子ども達にもぜひ覚えさせたいものです。

3.タンポポの効能

タンポポの根

タンポポはハコベと同じように、乳をよく出す菜として食べられています。根は薬になるとして、腹薬・風邪薬として煎じて飲みます。『佐渡に於ける薬草』(1934)には「根を煎服すると健胃・利尿・発刊・強壮に効く。全草を食べると食毒を消し、乳腫を治す。茎葉の白汁は疔(ちょう)瘡(かさ)に塗布して効がある。」と記されています。

フランスではタンポポはサラダ菜として八百屋で売られ、アメリカでは根のジュースが強制強壮薬として飲まれているといいます。佐渡島では昔から“薬食同源”としてのタンポポが暮らしの中にあったのです。

『佐渡山菜風土記』引用