菊池はるみ執筆[佐渡島の野草研究家]

ツリガネニンジンの特徴と食べ方

ツリガネニンジン

1.ツリガネニンジンとは

ツリガネニンジンの絵

ツリガネニンジンとはキキョウ科ツリガネニンジン属の中形多年草です。山野の陽地に生えています。花は青紫色で、釣り鐘で下垂です。葉は3〜4輪生、茎を切ると乳白を分泌します。ツリガネニンジンの若葉は「トトキ」と呼ばれ、山菜の中で旨いものの代表となっています。

佐渡島でも、また全国でも広く呼ばれるトトキの名は朝鮮語のトトクに由来しています。越後や東北ではノノバの名で呼ばれています。3月の終わりから4月にかけて、太い地下茎より新芽が萌え出るのですが、一株から十数本と若芽、若葉が群がり出るので摘みやすいです。

冬の季節風に直面する海辺の草原と山の風衝草原とザレ場が、佐渡島での主な育成地です。夏から秋にかけ、紫の釣り鐘型の小花が下垂して咲きます。俳句や短歌では釣鐘草(ツリガネソウ)、風鈴草(フウリンソウ)の名で呼びます。ツリガネニンジンの花は色が綺麗に残るので、エディブルフラワーに最適です。

2.ツリガネニンジンの食べ方

佐渡島のツリガネニンジン

佐渡島では昔から「トトキゴマ和え、ウドなます」と言われているのですが、トトキはゴマ和えがもっとも合います。癖のないソフトな味は、子どもにも老人にも喜ばれます。

『金沢村野生食用植物』(1934)という書籍には「若葉ヲ茹デテ乾カシ貯エル」と記されています。また、「根ハ切り干シシ、漬物、細カク裂キ水二晒シテ塩デモミ醤油ニツケル」とあり、根も食用となります。なお、「根ハ去痰薬」で秋に根を掘って乾かし、煎じて飲めば去痰・強壮薬となります。

4月の初めに弁天岬で会ったある女性は包丁でトトキを摘みながら、このように話していました。「節句の雛さんに毎年トトキのゴマ和えを作ってお供えする。春の和え物というとトトキで、お客さんにも喜ばれるし、敬老会の年寄りたちにも柔らかくて喜ばれる。」

『佐渡山菜風土記』引用